野生動物(海洋哺乳類)の保護、イルカ追い込み猟、自然環境についてのページです。

水族館のイルカはどこからやってくるのか

 現在日本の水族館で飼育されているイルカは、約300の施設で430頭ほどが飼育されています。イルカの入手方法には大きく分けて3つあります。まず1つは野生イルカを捕獲し水族館などに運ばれ飼育される方法、2つ目は飼育イルカを繁殖させる方法、3つ目は日本近海に生息していないイルカを海外から輸入する方法です。  

    イルカの捕獲

 現在日本でイルカを食用とするため、または害獣駆除という名目でイルカを捕獲する漁業が行われているということをご存知でしょうか?日本ではもうクジラやイルカを獲っていないと思っている人が多いと思いますが、実際は違います。確かに1988年3月をもって日本ではすべての商業捕鯨が停止されましたが、国際捕鯨委員会が停止の対象とした捕鯨操業はクジラ類(すべてのヒゲクジラ類とハクジラ類のうちのマッコウクジラとトックリクジラ類)を対象とした商業的捕獲であって、国際捕鯨委員会が対象としていないイルカやハクジラ類はいくつかの方法により商業的捕鯨がなされています。 


イルカ追い込み猟

イルカ追い込み猟の写真。

イルカ追い込み猟の写真。
Photo by HAL: HAL's Ocea Park
この画像転載は著作者より承諾を得ています。

 イルカ追い込み猟とは外洋でイルカの群れを見つけ、イルカのエコーロケーションシステムを機能させないようにするために、漁船から水中に大きな音を出しイルカをパニッ ク状態にします。そして複数の小型漁船と魚網でイルカの群れを湾内(入り江)に追い込み、狭い入り江を網でふさいだ後、群れごと一網打尽にする猟法です。
この中には水族館に売られていくイルカもいます。2メートルほどの若く傷がない雌を 選んで捕獲され水族館に移送される。捕獲されたイルカがパニック状態になり死亡する ことも少なくない。そうした場合食用にまわされるのです。

    イルカの人道的な捕殺方法?

 捕獲されたイルカは、港に吊り上げられ解体場に運び大型ナイフで頚動脈を切り捕殺さ れていました。イルカが暴れるので何度も切り付けられるそうです。イルカが絶命するまで5分〜10分かかるといわれておりとても残酷だと世界中から非難をあびた静岡県の伊東市漁協は、捕殺方法が短くなるよう「人道的な殺し」ということで、狭い場所に追い込んだイルカの体を半分海面から出し、仲間の目の前で噴気孔からナイフを刺し込 んで脊髄を切断するという方法に捕殺を変更しました。こうするとイルカは30秒ほどで絶命するということです。人道的な殺しといいますが、目の前で仲間や、親、子供が殺され、赤い血で海が真っ赤に染まっていきます。その光景を見るイルカの気持ち、殺されるイルカにとって30秒がどれほど長く辛く恐怖を味わってるか考えると、とてもかわいそうで人道的という言葉は当てはまらないように思えます。

    2004年 静岡県伊東市漁港でイルカ追い込み猟が行われました。

 2004年11月に静岡県の伊東市漁港でイルカ追い込み猟が行われました。約100頭のイルカが入り江に追い込まれ、そのうち14頭が捕獲され水族館に売却、3頭が捕殺 されました。残りの80頭は海に放たれましたが、どのイルカも長時間狭い囲いに押し込 められていたため、仲間同士で体がぶつかり怪我をしたイルカや衰弱しきっているイルカ、中にはショック死したイルカや、狭い場所に100頭ものイルカが押し込まれていたため、下にいたイルカで溺死したイルカもいたそうです。海に帰されても厳しい自然界で生きていけるのか疑問視されています。

イルカ追い込み猟は群れ全体を追い込むので地域個体群を全滅させる恐れがある猟法です。地域個体群とは同じ種内で遺伝的に差のある集団間のことで、人間でたとえると人種のようなものです。
1993年以降イルカの捕獲枠が見直されていません。伊東市漁港ではスジイルカがほとんど捕獲できなくなっており、スジイルカの数が減少しています。1993年と2005年の現在では各種類のイルカの生息数には変化があるはずです。減少している種、増加している種、まずはしっかりとした調査をする必要があり、捕獲枠の見直しをすべきだと思います。

    イルカはかわいそうだと思います・・・が

 自分の感情だけでいえば、イルカ追い込み猟については止めてほしいと思います。しかし、第2次世界大戦当時はイルカの肉は生きるための貴重な食料源であり、自然界から見れば人間は捕食者です。 人間が食べるために捕獲することはかわいそうではありますが、自然界から見れば当たり前のことのような気がします。
しかしイルカを水族館に売るために行う追い込み猟には賛同できません。実際2004年の伊東市漁港で行われた追い込み猟は、水族館からイルカがほしいという依頼があり 、イルカを水族館に売るために、追い込み猟を行いました。
生きるために猟をするのと、人間の勝手な都合だけで猟をするのでは、同じ内容の猟でも違いがあると思います。後者の追い込み猟ならばやるべきではないと思います。


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イルカの肉の汚染

 食用とされるイルカの肉にも問題があります。イルカからは水銀などの有害な化学物質が国の定めている基準値を約48倍ほど超えて検出されているのです。海の食物連鎖の頂点に立っているイルカやクジラが最も海洋汚染の影響を受けており、こうした肉は地元以外ではクジラ肉として日本全国に流通していると言われています。(イルカはクジラであるためクジラと明記しても問題無いようです)このような事実により、捕獲されるイルカは食用には向いていないということは明らかで、日本沿岸で捕獲されるイルカは特に汚染の度合いが高いのです。


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捕鯨停止の問題点

現在世界の海にはマッコウクジラが200万頭、ミンククジラが100万頭いるといわれています。ミンククジラについては50年間で4倍に増えたということで、この数字を見る限りはクジラの数は増えています。繁殖力の強いミンククジラが増えすぎたことにより、同じオキアミを餌とするシロナガスクジラが1000頭あまりに減少し絶滅の危機にあります。このようにクジラ類だけを保護しようとしても保護することにより、別の種に影響をあたえることを考慮しなければいけないと思います。

※上記記載に関して、間違いだらけとのご指摘をいただきましたので訂正いたします。上記記載に関する正しい知識は以下ということです。

捕鯨でシロナガスクジラなどの大型の鯨類が大幅に減り、それで余ったオキアミを食べて1930-40年代に南半球のミンククジラが増加したという話で、ミンククジラが増えたから餌が余らずにシロナガスクジラが元の生息数に戻らないという話なので、根本的に間違いです。
ちなみに、北半球のミンククジラではそういう現象はそもそも起きていないし、南半球のミンククジラも75万頭に増えましたが、増加は停止した上に、40万頭に数が訂正されたので、色々間違いだらけです。
(過去の数字である75万頭+北半球の個体で100万頭です) 更にミンククジラは減少に転じてきているらしいです。


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ジュゴンの保護

    ジュゴンとマナティー

 ジュゴンは海牛類の仲間の哺乳類であり、海牛類に最も近い生物は象だと考えられています。海牛類はジュゴン科、マナティー科に分類され、ジュゴンは太平洋やインド洋の海洋のみに生息しますが、マナティーは大西洋と太平洋に注ぐ大河川の流域に生息し淡水と海洋の両方の環境で見ることができます。
ジュゴンとマナティーは人魚伝説のモデルになった生物で、ジュゴンとマナティーの一番の違いは尾びれです。ジュゴンの 尾びれはイルカのような三日月型をしているのに対しマナティーの尾びれはしゃもじ型 をしています。

    ジュゴンは日本に50頭もいません

現在ジュゴンは日本では沖縄の東海岸を中心に生息しています。沖縄はジュゴンを見ることができる最も北限の場所です。しかし日本のジュゴンの生息数は50頭以下しかいません。生息数の減少にはしっかりとした理由があります。

 

      日本のジュゴンが減少した原因

 ただでさえ繁殖力が弱く沖縄に50頭以下しか生息していないという事実は、たとえ海洋がジュゴンの住み易い環境であったとしても種を繁栄させていくには難しい頭数だと思います。これらの問題は、沖縄のジュゴンの個体群を絶滅させる可能性がとても高いと思います。
普天間基地移転問題、事業が環境にどのような影響を与えるか調査する環境アセスメントが十分に行われておりません。早急に調査をし、対策を考えなければ沖縄の豊かな自然が失われます。ジュゴンは絶滅します。美しい珊瑚礁は減少します。失ったものを元に戻すには長い年月がかかります。絶滅した種は元には戻りません。


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クジラ類の座礁 米軍のLFASが原因のひとつ

 クジラの座礁については、まだわからないことのほうが多いみたいですが、理由のひとつに、人間の手によって座礁するクジラも上げられます。
米軍が保有するLFAS(低周波アクティブソナー)です。このシステムはサータスと呼ばれ、サータスは18個の発信機を備え、それぞれが215デ シベル(戦闘機が離陸するときに真横にいて受ける音圧と同じ)という高い音圧を発する装置で、敵の潜水艦を発見するために使われます。この装置の出す超低周波音が強すぎてイルカやクジラの脳を破壊しイルカやクジラが座礁します。


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考    察

 上記のことをまとめると、ただイルカやクジラがかわいいというだけでの保護活動では いけないと思います。個人的にはイルカもクジラも好きです。だからといって捕鯨に反対するのは今だけを考えての感情論にすぎないと思います。冷静に自然界という視点から見つめればクジラやイルカだけを保護するということは、本当の意味での保全とは違ってくると思います。保全を考えるのであれば自然界すべてに目を配らなければいけないと思います。ミンククジラを例に上げれば、ミンククジラが増えることによりシロナガスクジラが減る、クジラ類が増えることにより魚類などが激減し、魚類を餌とするクジラ類は餓死するというようなことが予想できます。

 この問題に関しては、しっかりとした調査 (生息数、個体群、生息場所)を行ったうえで、今後決して感情だけで考えるのではなく冷静な目で、自然界という視点から考えてもらいたいと思います。

 極論をいえば、人間が増えすぎたというところに辿りついてしまうような気がします。 しかし今となっては増えすぎた人間をどうすることも出来ません。今人間にできることとといったらこれ以上地球の環境が壊れていかないよう、生態系が壊れていかないよう 、努力し出来る限り自然界との共存を考え行動に移すことではないかと思います。



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