イルカセラピーについてのページです。

イルカセラピーとは

イルカが海原を泳いでいる写真 Photo by Gen OHHORI
この画像転載は著作者より承諾を得ています。
http://www.ohhori.com/dolphin

 正しくはイルカ介在療法(Dolphin Assisted Therapy)と呼ばれており、動物介在療法(Animal Assisted Therapy:アニマルセラピー)の一つで、イルカセラピーは発達障害や病気を治癒するものではありません。

 イルカはとても好奇心が強い生き物で、人間に対しても興味を持ちます。ボートが起こす波に乗って遊んでみたり、近づいてきたりして遊びたがったりもします。
イルカには健常者と自閉症患者を見分けることができるといわれており、自閉症患者や障害者には特別な対応をするみたいで、健常者が水に入るといたずらをし暴れたりするイルカが、自閉症患者が水に入ると、暴れることなく、とても優しく、注意深くふるまい、おとなしくするそうです。

 このようなイルカと接することにより、今まで動くものを怖がったり、1人でいる時間を好んだり、その場に適した行動ができなかったり、親に対しても興味をしめさなかった自閉症患者が、イルカの注意を引こうとイルカの声を真似てみたりと自発的な行動をとるようになったり、イルカと仲良くなれたことによって達成感を味わうことができ、自閉症患者の社会的スキルが上達します。

 このように自閉症患者についていえば、自閉症患者の発達支援の方法としてイルカと接することで、コミュニケーション能力を高めたり、集中力が持続できるようになったりといった社会的スキルを高める支援をするのがイルカセラピーです。

 鬱病や身体に障害を持っている方にも、イルカと接することで癒され、イルカと遊びイルカに受け入れてもらったことにより、自分は世の中に必要な人間じゃないなどといったネガティブな考え方を持たないようになったりと、イルカセラピーの効果があります。

  自閉症とは

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飼育イルカを使ったイルカセラピーの問題点

 イルカセラピーは今とても多くの人の関心を集めていると思います。しかし多くの問題点があると思います。まず水族館のプールなどで飼育イルカを使ってのイルカセラピーです。
今まで自由に広大な海を泳ぎまわっていたイルカが、残酷な追い込み猟によって無理やり仲間と引き裂かれ狭い水槽の中で飼育されているのです。そんな可哀想なイルカに人を癒す力があるのでしょうか。イルカ達の心を傷ついているはずです。水族館にいるイルカがどこからきたのか考えてみてください、人間によって捕まえられたのです。野生イルカを捕まえるという行為をどう思いますか?ベッツィ・A・スミス氏の著書『イルカ・セラピー イルカとの交流が生む「癒し」の効果』にはこのようなことが書かれてました。 マイケルという自閉症患者とリトルビットという名の1頭のイルカとの間におこった不思議な出来事です。

  マイケル少年がリトルビットの背中をポンと叩いては、じっと手をのせるという行為を繰り返しており、このような行為を数分間続けた後にスミス氏がマイケル少年の肩を叩くと、マイケル少年の目には涙があふれていた。マイケル少年はそれまで1度も泣いたことがなく、その後も泣くことはなかったそうです。

マイケル少年が1度だけ流した涙、スミス氏はこのように考えています。マイケル少年とイルカのリトルビットとの間に生まれた絆がとても強くなり、それを通じて、捕らえられて間もないリトルビットの悲しみ、広い海や群れの仲間を失ってしまった悲しみが、マイケル少年に伝わったのだと。その後マイケル少年が気持ちを立て直し前向きな行動をとれるようになるまで、簡単なことではなかったそうです。それだけマイケル少年のリトルビットに対する悲しみが深かったということなのでしょうか。

 僕の中でとても強く印象に残っている話です。なぜマイケル少年の目に生まれて初めての涙があふれたのか、スミス氏の言ってることが真実なのかはわかりませんが、言葉が通じなくても、2人が強い絆で結ばれていて、心が通じ合ったと思いたいです。もしスミス氏の言うことが真実だとすれば、飼育イルカでのイルカセラピーが、イルカの自由や仲間を失った悲しさで患者に悪い影響をあたえる可能性もあるのです。 また、野生イルカの寿命は40歳ほどだと言われています。しかし水族館のイルカのほとんどはタッチングや狭い水槽に閉じ込められたストレスなどによって、1年〜3年のうちに死んでしまい、最初の3ヶ月で5割のイルカが亡くなっています。

 欧米諸国ではイルカを飼育したりイルカショーをしないようにしようという動きがあり、イルカの自由を尊重する傾向にありますが、日本ではそのような声はあがっていません。
イルカセラピーがビジネス化された場合、利益が優先され捕獲される野生イルカが増えるでしょう。

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野生イルカを使ったイルカセラピーの問題点

 野生イルカでのイルカセラピーにもこれから乗り越えていかなくてはいけない多くの問題点があると思います。まず自閉症の患者がイルカのいる沖まで船に乗って会いにいかなくてはいけないということです。船に揺られていくことは、それだけでも体力のいることだと思いますし、船酔いや慣れない旅のせいで体調が急変することも考えないといけません。実際は患者の状態にもよるでしょうが、医師も同伴で海に出るようで、患者の体力の消耗が激しく、たくさんのお金と労力がかかるということを考えなくてはいけません。
また相手は海を自由に泳いでいる野性のイルカです。確実にイルカ達に逢えるという保障はありません。また逢えたとしても、自閉症の患者には海に入ってイルカとコミニュケーションが取れるだけの(海を怖がらない、イルカを怖がらない)能力や、シュノーケル、フィンなどの道具を使いこなす技術も必要になってきます。誰でもイルカセラピーを体験できるというわけではありません。天候にも左右されるでしょう。


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